フッ素政策
こんにちは、歯科衛生士の常吉です。
今年は猛暑続きの夏休みでしたが、皆さまはどんなお休みを過ごされましたか?
夏休みということで毎日が土日並みの忙しさでしたが、来院してきた子ども達が一生懸命に夏の思い出を報告してくれるのが可愛くて可愛くて!
びっくりするほど日焼けした患者さんもたくさんいらっしゃって、なにで焼けたの?なんてお話する機会も多くて楽しいサマータイム診療でした♪
そんな夏休みも終わり。9月からは当院も通常診療時間に戻りました。
また気持ちを入れ替えて、お仕事はりきってまいります!
早速ですが、今回のブログでは8/30に参加させて頂いた、「リスクに基づくフッ化物の臨床応用」というセミナーで学んだことを取り入れながら「フッ化物」について書かせていただきます。
「フッ化物」、というと何?と思われる方もいらっしゃると思いますが、これは、一般的に「フッ素」と呼ばれているものについてのお話です。(フッ素はそれ単体では存在し得ないため、正確にいうと「フッ化物」となるのです)
一番身近なところで言うと、「フッ素入り歯磨き粉」といえばご存知の方も多いかと思います。
最近では、歯磨き粉市場の約9割がフッ素入りとなっているくらいメジャーなものになりました。
今回はこの「フッ素」が、
・なぜ歯にいいのか?
・どうやって使うのが効果的なのか?
この辺を出来るだけ簡単にご説明させていただきます!
フッ素がお口の中に入ると、歯のエナメル質に取り込まれ、エナメル質の主成分であるハイドロキシアパタイトがフルオロアパタイトというもの変わります。
このフルオロアパタイトは、ハイドロキシアパタイトよりも安定した結晶構造をしているため、結果的にエナメル質の耐酸性が向上するということになります。
もっと簡単に言うと、歯が強くなり、酸によって溶かされにくくなる、ということです。
これは赤ちゃんからお年寄りまで、歯がある方ならどなたにでも得られる効果なので、ぜひ大人の皆さまにも効果的に活用していただきたいところです!
ですが、生えてきたばかりの歯のほうがたくさんのフッ素を取り込みやすい性質があるため、子どものうちからしっかりフッ素による予防をされておくとより良いでしょう。
フッ素の効果はそれだけではありません。
皆さまは「再石灰化」という言葉をお聞きになったことはありますか?
再石灰化というのは、酸に溶かされた歯の表面に、唾液中に含まれるカルシウムイオンやリン酸イオンが再沈着し、元に戻そうとするはたらきのことです。
逆に、酸によって歯の表面からリン酸カルシウムが溶け出す現象を脱灰(だっかい)とよびます。脱灰がすすむと歯に穴が開き、虫歯となります。
フッ素は、カルシウムイオンとリン酸イオンと一緒に、脱灰された部分にくっつき、この再石灰化を助けるはたらきをします。
更に、口腔内にフッ素が存在することによって、細菌はエネルギーを産生できなくなり、結果として酸を作ることができない環境を作り出します。
少々長ったらしくなりましたが、フッ素について少しでもおわかりいただけたでしょうか?
虫歯予防のために簡単に、フッ素の良さをお伝えしようと思ったら、ちっとも簡単じゃなくなってしまいました(汗)文才がなくてすみません~~
そんなわけで、当院ではさっそく9月から今まで以上にフッ素を使った虫歯予防を心がけていこうと思います。それについては院内でまたご説明いたしますね♪
そうそう、フッ素といえば、患者さんから良くある質問でこんなものがあります。
「フッ素はどのくらいの頻度で塗るのがいいのか?」
これは、その方の虫歯になりやすさ、歯の強さによってだいぶ個人差がありますが...
一般的には、
歯科医院で1年に3、4回程度、高濃度のフッ素を塗ってもらい、
ご家庭で毎日歯磨きのたびに、低濃度のフッ素入り歯磨き粉やジェルを使用する
これが、一番フッ素の効果を得られやすいやり方だといわれています。
余談ですが、フッ素は食べることでも歯を強くすることができるらしく、スウェーデンでは生後6カ月から、国政としてフッ素タブレットが支給されるんだとか!!
スウェーデンは、乳歯に虫歯があるのは異常というくらい虫歯が少ない国ですので、日本も、もう少しフッ素政策をとりいれて予防に力を入れてほしいですね★
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